「座れ。」

「あの、なんか巻き込んでしまって…ごめんなさ…い。」
声が弱弱しくなってるから、髪から視線を鏡に移した。

「はっ?泣いてんの?」
眼鏡取って目を押さえてるし。

「や、あの、ちょっと怖くてびっくりして…」

「あー、ごめん。ついカッとしちまって。」
「俺、昔族の一員だったから、アレが素っちゃー素なんだな。」
怖がらせてたのかよー俺ダメじゃん(笑)

「そ、なんですか。すみません、泣いちゃって。」

「悪かった。」
タオルで顔を拭いてやった。
俺…優しくね?

その後、髪についたガムを取って。
少し傷んでたからトリートメントをついでに…。

「せっかく綺麗な髪してんだから、トリートメントしろよ?」
「パサパサになりかけてたぞ。」

「わかりました。ありがとうございます。」
「あ、お金…」

「いーよ、俺の好意でやったんだ。その代わりまた来いよ。
髪は痛んでからじゃ遅いからな。」
これで、次こそはカットしてやる!!

「ありがとうございました。」

「おう。じゃーな。」