「あの子入学式の時のクスクス―」

どうしよう…
みんな、私のこと見てる。

もうこんなに噂広がってるんだ
あーせっかく高校で友達沢山作って
楽しむつもりだったのにな…

「ねぇー何ちゃんって言うの??」

「……。」

「聞いてる??あなたのコトだよ?」

「え…私!?」

「そう。あなた。」

「真崎心です。」

「心ちゃんか―。私は新条由愛[シンジョウユメ]。
 由愛でいいよ!」

そう話かけてくれたのは後ろの席にいる
髪が長くて目がくりくりのフワフワした女の子だ。
か、かわいい!

「私も心って呼んでください。」

「やだぁーなんで敬語なの?タメで話してよー」

中学の時、仲のいい子が居なかったせいか、
同い年でも敬語になっちゃうんだよな。
直さなきゃ!!

「ごめん。癖で。」

「癖って普段から敬語なの!?」

コクコク

「大変じゃん?これからタメも覚えなきゃね―(ニコッ」

キーンコーンカーンコーン…

「あ、先生じゃん!!ほら、前向いて!」