理科室にはギリギリでセーフ。

切れた息を整いながら席に着く。

ヒンヤリとしたイスに腰掛けて始める授業。実験。

いつもは参加しないけど、今日は…やってみようかな?


「それ、私がやるよっ」


いつもはやらない実験のお手伝いも、いつもは喋らない班の人も。

全てが初めての私。
こんな風に思えたのはやっぱり和也のおかげかな?

なんてことを思いながら、実験に取り組む。


「酒井さんって変な人だよねっ」

しばらく話していた班の子に言われた一言。

「ええ?私って変?」


「うん♪だって奇声、発してたし」

「あ、それはね…?」

なんて話で盛り上がってみたり。


今までなかった学校生活が始まったようだった。


私が思っていたよりも周りの壁は薄くて小さかった。
和也の言う通りみたい。