担任のいた職員室を出て和也のいる教室に行った。


「ま、俺の家来るんだかさ、待ってるの当たり前だし」


「それでもありがとー、っで、早く行こ?」


「ん…」


この時見た和也の寂しげな笑顔の理由を知るのはこのあとすぐ。


「…」


どちらとも話しをしない。


「…」

いつもうるさいような和也までもが静か。
結構不気味な光景?

でも、何をしゃべっていいのか分かんないけど。
繋がれている手は固かった。



「お邪魔します」


「んじゃ、2階上がってて?お茶持ってくから」

「分かった。」


「あ!!マキーっ」

「啓太、久しぶり?」


「おーら、啓太はあっち。」

「兄ちゃんのケチー!!」


いつ見てもこの兄弟が羨ましい。
私もこんな風になれたらな……


「マキ?」