「先生、今日は放課後の悪夢…じゃんくて放課後の学習、休んでもいいでしょうか?」


「…何か用事なのか?」


「……はい」


「何の?」


「実は…―」


「ん、なら今日は早く帰っておばあさんに優しくしてやりなさい。」


「ありがとうございます」



担任との会話。
担任にはおばあちゃんが10年ぶりに帰ってくるから家族で食事に行く、とありきたりな変な嘘をついた。


「…チョロイ、チョロイ♪」

担任は"家族は大事にしろ!"ってよく言ってたから、この理由ですぐに信じるだろうと思い気った結果、大成功を遂げた。

…あばあちゃんなんていないのにね?

ま、正確には"いた"が正しいけど。




「マキ、帰る?」

「うん。待っててくれてありがとう、和也」