私を養子に渡す代わりに、中西の借金が全て返せるほどのお金をもらったらしい。
「マキをお金に変えるなんて…酷いことをしてすまなかった…」
お父さんは小さく謝り、私を見た。
「でも…要らない子なんでしょう?」
「何を言ってるの!?自分の子どもを要らないなんて言う親なんていないでしょうっ!」
涙まじりにお母さんは言った。
「あぁでも言わないと…マキはいつまでも"中西"を追いかける、そう思ったんだ。
だから酒井のご主人にも言ったんだ」
「じゃあ…」
私は、…
「私たちの大切な娘よ?」
そう言った瞬間にお母さんは私を抱き締めた。
今度は私も背中に手を回した。