まだ何も発せられずにお母さん…を見ていると、

「ごめんなさい…」


確かにそう呟いて、そっと涙を流し始めた。


どうしていいか分からずにあたふたし、信也を見ると、

「とりあえず、入ろ?」


そう言って、お父さんのいる病室の扉を静かに開けた。


これから、本当のことが分かるんだ…


ドキドキと高鳴る胸を抑えながら、病室へと足を踏み入れた。




ベッドに寝ていたお父さんは、いきなりの私たちの訪問により、ベッドを起こして、私たちと向き合ってくれた。