「俺の気持ちは、変わらない」


「…ごめん、和也」



「…いつ、言うかなって思ってたんだ」


「…え?」


「あ、正しくはいつ言われるかなってことかな?」


「…訳分かんないしっ」


「訳は分かるだろ?

…とりあえず、もうこれは必要ないだろ?」


「あ…」


和也によって、私の指にはめられたリングはとられた。


「…いつ、マキが戻ってもいいように。な?」


「…優しすぎだよ、和也は」


「それくらいしか、マキにしてやれない」


「…そんなことない…!!


和也、―…ありがとう」


「やっと、笑ったな?

俺はその笑顔が大好きだから、ずっと…ずっとな」


最後に、額にキスをされた。
唇の温もりが、額に集中した。

…これで、和也とは終わったんだ。
これで…良かったのかな…

涙をふき取りながら、図書室を出た。
もちろん―…1人で。