先生と生徒



「で、…何の"ごめん"?」


「…その前に、和也に言いたいことがある」


「何?」


「私、ちゃんと弟と、お父さんと話すよ…

ちゃんと、話してみる」


「…そっか、良かったな」


優しく頭を撫でて微笑んでくれる。
そんな和也を見るのも、最後…かもね。




「…ごめん、和也」


「…何となく、気付いてはいたんだけど」


「…ごめん」


「…あんまり聞きたくないかも」


「聞いてっ?ごめん…私…」


「…っマキ、」





「…別れよ?」


シーンとなる図書室で響く私の声。
時が止まったようだった。