先生と生徒



「矛盾してるのはよく分かってます…でも、怖いんです…もう、中西と関わりたくないんです…

なのに、お父さんには会うし、弟はいるし…頭がついてこないんです…」



「1つずつ、整理していくといい。

真実はそんな簡単に逃げないからな」



「…でも」



「答えを焦らす必要はない。酒井はじっくり考えればいいから」



「……はい」



「大分落ち着いたか?」



「結構…。ありがとうございました」



「少しでも酒井の悩みが解決すればいいんだけどな」



「もう、十分です。話聞いてもらっただけでも、すごいスッキリしましたから」



「そうか、なら良かった」



「はいっ、じゃあ帰ります…」



「気をつけて帰るんだぞ」


「…はい」


入江先生に深くお辞儀をして、進路相談室を出た。

そして図書室に向かう。