先生と生徒



私が姉なのに、今、目の前にいる弟、信也は私より何倍も大人だった。


「俺だってさ、1人じゃ聞こうなんて思わなかったよ?

でも、今は1人じゃない。姉ちゃんがいるから大丈夫な気がするんだ」


柔らかく笑う信也は、何か乗り越えたんだと思った。

そっか…1人じゃ、ない…か。


「ちょっと考えてみる」



「分かった。じゃ、連絡ちょうだい?」


「…じゃ、連絡すんね」


メールアドレスと電話番号を交換し、ファーストフード店を出た。







家に着いて、部屋に行き、ベッドに倒れ込む。


「1人じゃない…か、」


どうしようかな…

聞きたい思いも出てきて、"聞くな"って思う部分と交ざりあってる…