「酒井、ちょっと来い」


1日の授業が終わりに差し掛かる、6時間目の授業前。
担任に呼ばれた。


「マキ、何かしたの?」

一緒に話していた華は不安げにこちらを見る。


「何もしてないけど…行ってくんねっ」


華にそう告げ、担任に近づいた。


「先生、何か用ですか?」


「や、用ってもんではないんだが、大変な事になった」


「大変な事?」


「お前は中西の姓だっただろ?」


「…はい」


担任は私の身の上を知っている。
まぁこの担任は信用あるしねっ




「中西のとこの社長、ともかくお前…や、酒井の本当の親父さんが倒れたそうだ…」