「運べないからっ」 「もーちょっと♪」 「甘えん坊ーっ」 「はいはい♪」 「もうっ」 「何か新婚さんみたいだなっ」 「じゃあ旦那様?運んで下さい?」 と、和也を見上げる。 「はいはい、奥さんには敵いません?」 嫌みのような笑顔を浮かべ、台所に皿を運ぶ。 この空間だけが緩やかに流れていた。 本当に新婚みたいな気分にもなってみたり。 「久しぶりにこんなご飯食べるなー」 お皿を置きながら和也が話し始めた。