私が返事をする前にカーテンをサッと閉め、私をベッドに連れて行く。


「…今日は邪魔者、いないしね♪」


意地悪な顔で、嬉しそうに笑う。


「だね…」

でも、私一応、初めて…なんだけど。
何人か付き合ってはいた。
でも、体の関係を持つまでにいたったのは初めてだ。

…だって、こんなにも私を見て、私に優しくして、家族とも仲良くして…

自分でも不思議な行動に出るくらい。

そんな相手は和也が初めてだから。

体だけは、本当に大切な、好きな人に捧げたかった。
だから、初めてが和也なら、何も言うことはない。


「やっべー…緊張してきたっ」

「ホント?」

「マジだし…手、震えてるし…だっせー…」

少し呆れたように笑う和也を愛しく思った。
けど、思った反面…

一瞬だけ。
ほんの一瞬、先生の…内藤先生の顔が頭をよぎった。

何でだろう。
何でこんな時に先生の顔が頭をよぎるのだろう…

必死で先生を頭から消そうとした。
でも、中々消えてくれなくて。
頭をブンブンと横に振った。


「マキ?どした?…嫌?」

私が頭を振った瞬間、和也の不安そうな顔が目に入った。

違う、違う…
嫌なわけ、ない。

だって、和也だから。
和也だから、いいの…