「私も良かったって思うよっ」


「そっか、なら母さんもきっと喜んでるよ…」


「そうだと、嬉しいな…」


「行こっか」


「うん♪」


お母さんのお墓に背を向け、駅へ向かう。

後ろから吹く風が、お母さんからの返事みたいだった。


"また来てね"


そう、聞こえた…



「もう和也っ!!早くしないとまら乗り遅れるよっ!!」


「分かったから!ちょっと待てってっ!!」


旅行1日目。
出だしからグダグダだけど、きっと和也のお母さんは笑ってると思う。


そう、空の上から。


「はーやーくっ!!」


「マキ、待てっ!!この卑怯者ー!!」


でも、きっと楽しい旅行になると思う。


何も、起こらなければ…。
何も…。