「ここが墓」
「へーっ…初めまして、だね」
"マキはそうだなっ"
和也の手から先ほど買ったばかりの花が手渡される。
「そこ、挿しといて?」
「はーいっ」
花を挿して、お線香を上げ、少しばかりお墓の掃除もして、手を合わせる。
「「………」」
和也のお母さん。
初めましてマキです。
こんないい人、私には似合わないのに、いつも優しくしてくれてます。
お父さんもいい人で、啓太もいい子で。
お母さんもきっと、すごくいい人なんだと思います。
どうか、和也を幸せにしてあげてください。
どうか、見守ってあげてください。
どうか…よろしくお願いします。
一通りお母さんに挨拶をして、和也のほうを向く。
「っえ?」
そこにはニコニコ顔の和也。
「マキが母さんと会えて良かったな、って思って」


