「…時間ないんでしょ?

行こ♪」


時間ないって、次の新幹線まであと1時間あるんですけど…



「ちょっと、待ってっ!」

腕を引っ張られて、大きな荷物を持ち、和也の後を追う。


「…墓、行くぞ」


「お墓っ?」


和也に追いついて、歩調を合わす。


「あぁ。

…母さんの墓」


「…お母さん?」


「ん、明日、命日なんだ」


「命、日?」


「そう。命日。

毎年、お墓参りしてんだけど、旅行期間だったし、マキに紹介したかったし、丁度いいかなって思ってさ?」


"ここ、いい?"

花屋を指差し、合図する。