一瞬からだが凍った気がした。


 でも社会人なんだし女の人から電話がかかってくる事もある、と自分に言い聞かせた。


「七海って書いてあります」

『っえ!』


 けど晃さんの態度はそうは思わせてくれなかった。

 晃さんは急いで車を横によせて、携帯を開いた。

 そして誰かに電話をしだした・・・。


 晃さんは電話の相手に謝っていたけど、相手の声は全然聞こえないから、内容はわからなかった。


 ただ晃さんが電話を切る前に一言、「来て」という高い女の声が聞こえた・・・。

 私は電話の相手が七海という女だと確信した。


 そのまま学校に送られて、晃さんは急いでどっかに向かった。


 少し経つと“迎えに行けない”という短い文のメールが送られてきた・・・。