ハッとして、近くにあったカレンダーで日付を確認すると、確かに自分が生まれた日だった。


自分の誕生日なんて、すっかり忘れてました……。




「せっかく頑張って隠してたのに」


「す、すみません」


「梶谷君にも内緒で協力してもらったのに」


「………今、なんて?」




かじたにくんって、まさかこの前の………?


真央さんは一度俯いてから立ち上がり、机の上に置いてある手のひらサイズの紙袋を持った。


そしてそれを、僕に差し出す。


「ん」


「真央さん、これは…」


そう言うと、目の前の彼女は少し目元を赤らめながら答える。

「………プレゼントです。気に入らないかもだけど」


「これを、その………梶谷君と選んでくれたんですか?」


「うん。男の子のこと、よく分からなくて。梶谷君なら話せるから、一緒に選んで貰ったの」


「そう、だったんですか」



プレゼントを受け取り、まじまじと見つめる。



わざわざ、選んでくれたんですね。
あれはデートじゃなくて、僕のためのもの?
初めての意味は、男の子にプレゼントすることが初めてという意味で…。




そうだったのか。




瞬間、衝動的に真央さんを抱き締めた。


「わっ!蓮?」


「ありがとうございます。とても、嬉しいです」


どうしよう。

愛しさがぶわりと胸に広がって、抑えきれない。


柄にもなく、涙が溢れそうだ。


「嬉しすぎて、涙出てきました」


「そ、そんなに!?いや嬉しいけど………気に入らないかもよ?」


「僕、真央さんが梶谷君と一緒にいるところ、見たんです」


「え!?」



少し落ち着き、体を離す。だけど腕は彼女の腰に回したまま。

真央さんの顔を見ると、目をぱちくりさせていた。