翌日の休日を利用して、私はサオリの自宅を尋ねることにした。鮎川の走り書きしたメモを頼りに、丹念に探し求め彷徨う。
行き方としては、まず最寄り駅から電車に乗り、途中で一本乗り換え、その後バスに乗って徒歩で行けば着くというプランだ。メモの通りだと、どうも私の家からサオリの家は一時間半以上かかる。同じ学校だというのに色々な地方から生徒が来ていることが分かりえよう。

ようやくバスを下り、やっと彼女の家があると思われる団地に入った。
冬の寒さは抜けないが日が差しているため、心が温まるような暖かさがある。その分乾燥しているため肌がカサカサしていて、どことなく落ち着かない。

辺りを見渡すと真新しいような家ばかりが立ち並び、景色もとてもいい。きっとこの土地の売りはそこにあるに違いない。
私は新鮮な空気と景色のおかげで何だか晴れ晴れとした気分になり、気持ちを踊らせながら家探しを開始することができた。