しばらく普段の生活をしている内にそんなことなど忘れてしまっていた。いつものように音楽を聴きながら登校し、いつものように学校ではしゃいで、いつものように下校した。

私は部活動には所属していない。人の命令を聞いて動くことは性に合わなかったし、何より自由な時間を遮られることが嫌だった。何度か勧誘も受けていたが上手く断り、帰宅部で居続けている。
帰りは、彼女だったり、部活動に所属していない不良グループなどと帰ることが主だった。大半は遊んで帰るので夜遅くなったり朝帰りになることもあり、親に叱られることも山々だ。遊ぶ内容は特に決まっていなかったが、カラオケに行ったり、店で話し込んだりと別段他の人と変わらない遊びであった。時に一人で帰った時には、声を掛けてきた女の子と遊ぶこともある。
私は昔から容姿には不便していない。だいたい初対面の人には褒められるし、知らない子に告白されることもよくある。人は私のことをよく羨ましがるが、自分のことなので何が人にとって羨ましい点なのかは分からない。だが、また褒められる度に優越感に浸っていたのは私の素直な気持ちなのだろう