「…何それ。
別れちゃいなよ、あんな子。
尚人に合わないって…。」

真美さんは、
アタシを侮辱するような言葉を
次々に言い捨てる。

でも傷ついたりなんかしない。

今のアタシ、
浮かれてるから。


「アイツも、真美さんみたいに
簡単に捨てられるような奴じゃないんすよ。
アイツも、真美さんも、大切なんすから。」

真美さんと同じに言われたに対して、
あんまりいい気分には
ならなかったけど…
アタシのことを大切だって言ってくれたことが
すごく嬉しかった。



「…そう。
まぁいいわ。でもさ、忘れないでね？
尚人はアタシを楽しませることで
お金を貰ってるんだって。」

つくづく、嫌な人だと思う。
でも、アタシは尚人の売春行為に
口を出すことが出来ない。
…だから、尚人に向かって
真美さんの悪口を言うことも出来ないんだ。

アタシは自分の中に、
この嫌な気持ちを全部
溜め込んだ。