アタシは今まで住んでた
1LDKの家を出て、
尚人の家に住んでいた。

3LDKの家の中の3つの部屋は
アタシの部屋。
尚人の部屋。
2人の寝室。に分けられていた。


付き合ってるかのように思えたんだけど、
尚人はアタシに「好き」とは
言ってくれない。

「付き合ってよ。」そう言うと
決まって尚人は、機嫌を悪くした。


でも、もういい。
付き合えなくても、いいや。


だってさ、2人で
同棲すること出来てるんだよ?


ずっと、一緒に居られてる。


…それだけで、
充分過ぎるくらい幸せだよ――



2人は同棲し始めても、
売りを止めなかった。

売りを止めた時点で、
本当の自分じゃなくなる気がしたから…


2人とも、それが
嫌だったし。
互いの行動を否定することもない。


アタシと尚人は、ただ
一緒に住んでるだけ。

ただのセフレみたいなもの。



…それ以上でも、
それ以下でも無い。


息苦しいし、
辛かったけどさ、
尚人がこうしたいのならアタシは
認めざるを得なかった。