「…もう大丈夫だろ。
教室戻り?
てか、授業ちゃんと受けろって。
馬鹿が余計に馬鹿になる。」

「うわ…ッ!ひど!!!」

尚人と手を繋ぐと、
自然と胸が温かくなった気がして
みんなの視線とか…
どうでも良くなる自分が居た。


「じゃさ、帰る時
迎えに来てやる。」

上から目線なその言葉に、
いつもならイラッてするとこだけど…
尚人から言われると
嬉しくなるアタシって、
一体どうしたんだろ…。



尚人と別れて、
アタシは残りの3時間。

ちゃんと授業に出た。

国語。
数学。
英語。

全部苦手な教科ばっかだったけど、
尚人が応援してくれてるような気がして…。


さすがに、すぐ
みんなの視線が無くなったわけじゃないけど
何となく、クラスのみんなが
温かくなった気がした。


…アタシは相変わらず、
クラスのみんなに素っ気無い態度を取るけど
でも、みんながアタシを見る表情が
表情が柔らかくなった。


完全に、納まったような
感じがした。