「あたしはそんなことは言ってないわ
 …そうじゃなくてあんた彼女出来たんでしょ?」



「はぁ?!!!」



生まれてこのかた彼女なんか出来たことない
俺に、俺の知らぬ間に彼女が出来ただと?



「知らなかったよあたし…あんたも男なんだねぇ」


「そんなしみじみ言ってるとこ悪いけど
 俺に彼女なんか出来たことなんてないぞ!
 文句あっか!ましてや俺に気がある子なんて…」


ここまで言って一人頭に思い浮かんだ。
留美ちゃん…が、けどそれは気は気でも
「嫌」のほうな訳だが



「思いあたる子がいるんだね?」



いや!そのニヤニヤした顔と目がいやらしい!


「い、いないっての!いなかったら悪いかよ!」



いまさら取り繕っても遅いだろうと
思ったけど取り繕わずにはいられなかった
なおも母さんはニヤニヤしている。
正直気持ちわるいぞ母さん