巧君を見たらあたし…泣かない自信がない。



「はぁ」


靴からシューズに履き替え教室に向かう。
いつもの10分の1ペースで。


それでも歩いていれば教室についてしまう。
まあ、当然よね。動けばそりゃ着くわ。



「おはよー」



教室を開けるとみんながそれぞれ思い思いの
ことをしている。まだ巧君は来てないみたいだ。


「あ、美奈ちゃんじゃん。おはよー
 もう大丈夫なの?」


「う、うん大丈夫よ。もう元気」


「よかったねー。…それより巧君と
 何かあったの?」



…もしかして別れたとか何とか言ってしまった
のだろうか巧君は?


「昨日ね?巧君がすごく荒れてたの
 教師には当たるわ、高橋君が泣かされるわ
 それに…ほらあの子、巧君に言い寄ってた子。
 あの子まで泣かされたのよ。まあいい気味だ
 ったけど」