気づいたらあたしは走りだしていた。
何でこんなことを言ってしまったのだろう。
人はいなかったとはいえ道のど真ん中で
告白なんて。


「ちょっと待て!美奈~!」


後ろのほうで巧君の声が聞こえるけど
待てる訳がない。振られるくらいなら
このままの関係がいい。


明日からなかったことにしてこのまま…



電車に飛び乗り一息つく。


「はぁはぁ。久しぶりに走った」


心臓はいつもより速く脈打っている。
…原因は走ったせいだけじゃないことは
分かってる。


あたしと巧君の偽恋人の関係は
これで終っただろう。悪い意味で。


「どうしよ…」