「ははーん、俺を虫除けにしようってんだな」


「そういうこと。あたしって基本的に
 人付き合いが苦手なの。だから
 丁度いいかなって思って」


「…俺に得がないだろその話」


「別にないってことはないんじゃない?
 巧くんだって困ってるでしょ?」


自分で言うのもなんだがなぜかモテていたんだ
あの頃は。…いやまあ今もなんだが美奈のヤキモチ
がひどくて困ってる。



あまりにも妬くもんで俺は焼き栗になりそうだ。



「まあ…」


「ならいいじゃない♪決定~」



こうして俺たちは偽恋人として付き合うことになった。
この効果はてきめんで好きだという奴も
当分の間寄ってこなくなった。


ここでプロローグはおしまい。
これからは本編というか俺たちが
どうして付き合いだしたかを話そうと
思う。


時間は飛んで2年半後の春の話だ。
そんなにおもしろくはないだろうが
どうか聞いてくれ。