OF the DEAD


「安いでしょ憂くん、恭ちゃん♪」


飛びきりの笑顔で
そんな台詞を吐かれても
俺はコイツの金銭感覚と
脳内の思考を疑い兼ねない


「所詮情報って言っても
依頼関係だろ?

そんな金額出してまで
依頼を求めてはいねぇから
今回は断る」


俺はきっぱりとそう口にし
ちらっと恭哉の顔を伺う

独断で決めちまったが
恭哉の考えも聞くべきだっただろうか?



物分かりが悪いのか
物の飲み込みの効率が悪いのか
鞠也は断られても今尚一層と
情報の提供をし続ける


「吊れないことをいうなあ、憂くんは

今回の情報、依頼ではないんだ
…ふふふ、気になる?」



イラッとするその口調と
勿体ぶる素振りを見せる鞠也に
意地を張ったつもりか
俺は「興味ねぇっ!」と
子供みたく対抗してみた


「あははっ
憂くん相変わらずだねぇ

それに恭ちゃんも相変わらず
僕の話には一切耳も傾けず
今日も愛しのMyパソコンと
にらめっこかな」


笑顔でそう口にすると

「だめだよ、僕に見せつけちゃ。
粉々に壊したくなっちゃう」






伺えない心理と瞳の奥は
何かを秘めているような
死刀の過去を感じられた

俺は敢えて触れることをせず
側に立て掛けて置いた
臘花を取り出し念入りに磨き始めた


「二人とも吊れないなあ
つまらないじゃないか

二人して愛しい大事な゙モノ゙と
触れ合ってその間
僕を一人にする気かい?」




一瞬のことだった。
サッと鞠也の背中に構えて死刀が
一瞬にして鞠也の
右手に構えられていた


右手に構えられている
鞠也の死刀の剣先が俺の喉仏
ギリギリの位置を差していた

ただでさえ
身の危険を感じるのに
動けばもう命はくれた物じゃないだろう