広げられた資料に目を通す限り
普段受ける依頼内容と
なんの変哲もない依頼内容だ。
「ふーん。
今回は依頼内容は普通だけど
結構手間と危険が伴うんじゃねぇか?」
資料の端に書かれた
「極秘」の文字を確かめると
そうすぐに確信が出来た
「ああ。
危険は大いに伴いざるを得ない
だからと言って
死刀者(デッドブレーター)の名に置いて
放棄する訳にもいかない」
恭哉と俺を含め
゙こごの仲間一人一人が
゙死刀者(デッドブレーター)゙を
職としている組織だ
゙死刀者゙とは
死願者の意に基づく依頼を受ける
単に良く言えば死願者の
人助けの一環を職とする組織だ
゙死刀者゙は必ず武器として
゙死刀(デッドブレード)゙を所持しており
死刀によって死刀者の能力や
依頼の受け持ちも変わってくる
因みに俺の死刀は
さっき恭哉が言っていた通り
臘花(ろうか)と名の付いた死刀だ
よって今回の依頼は
俺の死刀 ―臘花の能力を
必要とする依頼。
「危険を伴うって程の依頼って
どんな依頼なんだよ」
正直、あまり俺は
臘花を傷付けたくはない
依頼はレベルが高ければ高いほど
死刀も死刀者も
GS(グローススキル)が消耗される
死刀者と死刀の
グローススキルが0になると
分かり切った話
―死刀も死刀者も
死を迎えることになる。
