「小鳥遊
おい、小鳥遊。起きろ」


目覚め悪く
そう強引に起こされ
寝起きの思考でありったけの
不機嫌な返事をすると

強烈な張り手を
頬に感じたのも束の間だった


「…ー痛ってぇ」

「やっと目覚めたか小鳥遊。」

張り手を食らわせ
わもかも自然に目覚めたとでも
言うような堂々ぶりには
゙こごの仲間全員でさえお手上げの
暴力馬鹿な ―望月恭哉。


猛烈な痛みが頬から
消えないまま俺は名前を呼ばれ
首根っこを乱暴に捕まれると
予め用意されていた椅子に座らせられた


「…〜なんだよー…
起こすならもっと目覚め良く
起こしてくれよ、恭哉」



「急遽依頼が入った」

謝る気すら更々ない様子の恭哉は
淡々とそれだけを吐き捨て
数枚の資料を机に広げて見せた



「…依頼もお前も気ままに
寝かしてもくんねぇってわけかよ」


口を子供見たく尖らせ
強引に座らせられた椅子の
背もたれに勢い良くもたれ掛かる


「しかし今回の依頼は
俺とお前はサポート役に回る」


「ま、まじかよ!
サポート役なら
俺わざわざ起こさなくても
良かったんじゃねぇか恭哉さんよー」

「いや、俺もそう悟ったのだが
お前の臘花が
必要になりそうな依頼でな」



これを見てみろ と
机に広げて見せた資料を指差した