目を覚ますと檻の中にいた。

「った…」

全身に痛みが走る。

何が起こったの?

サニーとログは眠ったまま。

コツコツと足音が近づいた。

オッサンだろう。

「生き餌にしちゃ勿体ない」

「すみません…そうゆう役職なんで」

「しかし…迫真の演技だったよ。リアル君」

「…………」

リアルは…伝書ウサギじゃない。

後者の方なんだ…。

「…ざけないで」

激痛に耐えて起き上がる。

「ふざけないでよ。アンタを信じて、
お母さん達助けれるかもって来たのに」

涙が頬を伝う。

「アリス…さん。私は助けれるなんて言ってません」
「………」

「倒す方法を知ってるだけですから…巧みに騙されましたね」

パーンと音が響いた。

サニーが引き金を引いて、手は震えていた。

「アンタも「蟲」なんだから…当たったら死ぬんでしょう?」

「…はい」

サニーの命中は確かなものだと思う。

外したのか。

外れたのか。

彼女は少なくともリアルを信じていただろう。