そう言うと時の子は私を光に押しつけた。

ぐらりと手元がふらついて、窓から上半身が飛び出したかのような感覚に襲われる。

反射的にふんばって落ちないように力を込めたが、時の子の力にはかなわず。

私は光のなかに落ちていった。

闇の穴から時の子が身を乗り出すのが落下中でもわかった。

そして、時の子は大きな声で言った。

「夢を見せてくれてありがとう。私、また目を付けてよかったよ。奇跡は起きるってわかったから…」

そういいながら時の子は笑って、大きく私に手を振った。

私は意味もわからず、手を振り帰していた。