シイナはついに涙を流した。

必死になってしゃっくりまじりで喋り続ける。

「私はもう目覚めることもできないし」

「うん」

「喋ることも親を見ることもできないし」

「うん」

「走り回って笑いあう友達もいないし」

「うん」

延々と続くシイナの悲しみの種。

私はずっとその一つ一つに優しく相づちをする。















どれくらいたったんだろう?

シイナが息を切らして涙を流している。

「もう気が済んだ?」

シイナと背中合わせに座っている私は、シイナに少し寄り掛かった。

「まだ…ある。」

「なに?」

シイナはゆっくりと深呼吸をして呼吸を整えた。

「お姉ちゃんと話したり、遊んだり、一緒に寝たり、ご飯を食べたりしたかった。…それに」

シイナの言葉がとまる。

背中から弱い振動が伝わってくる。

シイナ震えているの?

振り向こうとした時震えるシイナの声が聞こえてきた。

「お姉ちゃんと…仲直りがしたかったよぉ…。本当はずっとずっとお姉ちゃんに会いたくて、ずっと一緒にいたかったよぉ…」

シイナはまた声を上げて泣きだす。

「お姉ちゃんは私に会いに来てくれたのに…。私…嬉しかったのに素直になれなくて…」

シイナの言葉を聞いているとなぜか、涙が零れた。