でも、母と由美さんは式場予約の日にちを教えてはくれない

「お母さん、さっさと式の日にち教えなさいよ!その前に…」

そんな言葉を無視して、二人は会話を続ける

「すず、ちょっと来い」

「でも…」

「良いから!」

有無を言わせないように睨み付ける卓の表情は知らない人みたいで…

「わかった…」

そう言うしかなかった


引っ張られて連れていかれたのは私の部屋

短い沈黙のあと、卓が口を開く

「俺にとっては好都合だな。おふくろ達が言わなくても俺はすずに言ってた。結婚してくれって…」

驚くしかない

だって、付き合ってるわけでもないし、ましてや、卓の気持ちが分からないのに…

「いっつも先に進むのは、卓だよね?覚悟決めるのも、切り捨てるのも、大人になるのも…。いつもいつも…」

静かに反発してみた

小さく呟いたはずなのに…

「それはすずがいるから。いつも好きな女の前では格好よくいたい。それだけだから。俺と結婚してください。小さい頃の約束どおり」

あっ、覚えてくれてた

私しかおぼえてないと思ってたのに…

「そんなの答えは決まってるよ。ちゃんと言葉にして欲しかった。小さい頃の約束も覚えてたんだったら言って欲しかった。」

顔をみるのが恥ずかしく、そっぽを向いて返した

「ところですず、返事は?って言っても、もうOKって思って良いんだよな?
拒否権ないからな」

答えは決まっている

「もちろん、よろしくお願いします」






これにて、この話はおしまい

二人は幸せに暮らしましたとさ

「「……って、ここで終わるな!!」」

あら、主人公二人に言われてしまいました

では、次頁へ…go