ヘタレ彼氏はイイ男

それからというもの、あたしは毎日部活の後に一飛のもとへ行き、練習に付き合った。


今日は差し入れも持ってきた。




「ねぇ真心、最近遅くまで残ってるんだって?」


「うん。・・・先輩方に早く追い付きたいし」


「そっか。あんまり無理しないでよ?」


「うん」



そう言って帰った友達を見ながら、あたしは時計を見た。


あと30分くらいしたら、行こうかな。



隣にあるバッグを見る。



喜んでくれればいいんだけど・・・。






そして、きっちり30分後。



「一飛!!」


「真心!練習終わったのか?」



グラウンドに歩いていくと、一飛が走って傍まで来てくれた。



「人の練習の心配はいいから。ほら、特訓でしょ?」


「あぁ、今日も頼む」


「りょーかい!」



そして一飛が持ってきたビデオカメラで、バッティングの姿や投げた時のフォームを撮る。


他にも、弟や父に話を聞いたことを伝える。



そうした練習を毎日やっていた。