ヘタレ彼氏はイイ男

楽しい時間はあっという間で、もう家の前。



「わざわざ送ってくれてありがとね」


「いや、こっちこそ片付けを手伝ってもらっちゃって」


「ううん、あたしが見てたかっただけだから・・・・・」



明日も見ていこうかな。
そしたら、明日も送ってくれるかな?


そんなことが頭をよぎった。


すると



「出来れば、これからも見てもらえる?」


「え?」


「あ、えっと、僕下手だから、それに真心は野球のことちょっとはわかってるみたいだし、僕のダメなところ教えてほしいな・・・みたいな」



耳を赤くして、照れ笑いしながら言う一飛。


こっちまで赤くなってくるよ。



ただ、あたしも相当な意地っ張りだから、素直にはなかなかなれなかったけど。



「あたしも、部活でこれから遅くまでいるからそれからでいいなら、いいよ?」


「本当?!」


「あたしだって、クラスメイトには上手くなってほしいし・・・」


「お願いします!」


「はいはい」






本当に嬉しかった。


1年も同じ教室にいたのに、全く気付かなかった。


彼の力になってあげたいと思った。