2年後───────────
「いつまで打ってんだ。この根性なし!!」
俺を罵る声が後ろから聞こえてくる。
「うるせぇ!!」
俺は、覚悟が出来なくて声を張り上げながら、ボールをひたすら打っていた。
「いつまで真心を待たせる気よ」
俺の後ろで茉乃が叫んだ。
分かってる。
俺だって、今すぐ行きたいんだ。
だけど、怖くて行けない。
真心と別れてから2年がたち、俺は念願だった甲子園出場を果たし、さらに優勝もした。
今までの努力が実った瞬間だった。
だから、胸を張って真心に会いに行ける。
そう思った。
でも、真心の家の前に言った途端、2年前真心に突き離されたことを思い出し、怖くなって逃げてしまった。
それで、どうしようもないこの気持ちをボールにぶつけているわけだ。
「ホント、意気地なしね」
「うるさい」
ぽつりと言うその声も、弱弱しくて情けない。
「あー、こんな男に真心は勿体ないわ。今度真心を合コンにでも誘っちゃうからね」
「はっ!?ふざけんなよ。そんなの」
「あたしに文句をいう元気があるならさっさと真心のとこに行って来い。このバカ!!」
「はい・・・・」
茉乃に見送られ、俺は真心の家に再度向かった。
電柱のところで、家を見ていると、玄関のところに人が現れた。
真心────────────
久々に見た真心に、俺は溢れる思いを止められなかった。
止められず頬を伝う涙を隠すように、俺は帽子を深くかぶり直し、真心に歩み寄った。
やっと、追いついた。
これからは真心と同じ道をずっと歩んでいこう。
Fin

