ヘタレ彼氏はイイ男

別れればこっちのものとでも思っていたんだろう。


それはとんだ思い違いだ。


別れたとしても、俺は真心を諦めない。


彼女の信用を取り戻すため、真心が好きだと言ってくれた“俺”を取り戻すため、そして“夢”を取り戻すために俺はもう一度、野球に戻る。




「だから、俺にはもう構わないで」



そう言い残し、俺は屋上を後にした。






その日から、また俺の野球三昧の毎日が始まった───────





もう心は揺れなかった。


自分の夢を真剣に受け止め、それに向かってただひたすらに練習をした。


数週間の遅れは数か月の遅れだ。


遅れを取り戻すことにも時間はかかった。


でも、いちいちそんなことに気に掛ける余裕はない。




2年後の自分の姿を思い浮かべながら、俺は毎日必死だった。