ヘタレ彼氏はイイ男

「それは・・・・」



いつも自信に溢れていた顔が今日は怯えているように見える。



それは俺が今までにないほど冷めた目を向けているからかな?



先輩にも言われたけど、いつも温厚な人間が本気で怒った時ほど恐いものはないそうだ。




「ま、そんなことはどうでもいいや。もう済んだことだしね。それに俺は君に対して怒っているわけじゃない」




その言葉に彼女はパァッと表情を明るくした。



3股もしているぐらいだから、頭がいいのかと思ったが、根は単純らしい。



そんな奴に俺は踊らされて、真心を失ったのか。



自分の頭の悪さに笑えてくる。




「いっくん?」


「その呼び方もやめて」


「えっ?」


「俺を名前で呼んでいいのは、真心だけだ」


「でも、彼女とは」


「うん。別れたよ」


「じゃぁ・・・」


「だけど、また再会する。そのために、また部活に復帰するよ」




それを聞いた彼女は目を見開いた。