さらに1か月後。
最近毎日のように茉乃から同じ質問をされるようになった。
「ねぇねぇ、昨日何かなかった?」
「昨日誰かに会った?」
誰にも会っていないし、何もないから毎日同じ答えを返していた。
どうしてそんな質問をするのか特に気にもとめずにいた。
あたしの頭の中は受験勉強でいっぱいだったから。
その質問の意図がわかったのはそれから1週間後のことだった。
いつものように、夜御飯を食べていると、茉乃からメールが来た。
[外に出てみて]
それだけ書かれた内容で、意味が分からなかったけど、あたしは晩御飯を食べ終えた後に、薄暗くなってきた外に出てみた。
外に出て、辺りを見回すと、一人誰かが立っていた。
ジーパンにTシャツ姿で、頭には帽子を深くかぶっていた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
しゃべらないので家の中へ入ろうと思い、後ろを向くと
「あ、あの!!」
低く大きな声に驚き、あたしは足を止めた。
そして、一つため息を吐いた。
「何か御用ですか?」
「えと、あの、その・・・」
彼はブツブツと何か言おうとしていた。
待っていても、はっきりしない彼にあたしは大声で怒鳴った。
「甲子園で優勝したくせに、この度胸なし!!!」

