ヘタレ彼氏はイイ男


それから2年────────




テレビは夏の甲子園で盛り上がっていた。


あたしはというと、毎日毎日受験勉強。

行きたい大学に向けて必死で勉強していたから、甲子園なんて見てる暇はなかった。


一飛が出てるかどうかも知らなかった。



何度か一飛からメールが来たこともあったから、あたしはアドレスも電話番号も変えた。


一飛との接点を絶った。
そうでもしなきゃ、一飛は強くなれない。


あたしにしがみついてるようじゃ、ダメなんだよ。



窓から見上げる空は、一飛と初めて会った時のように、綺麗な夕焼け色に染まっていた。



そして、甲子園が終わったころ、噂で聞いた。


一飛が甲子園に出場し、ピッチャーをつとめ、優勝したと。


近くの学校というだけあり、学校内ではその話で盛り上がった。



良かったね。
あたしがいなくても、出来るじゃない。

これで一飛の夢に大きく近づいたはず。




一飛の夢、それは




『野球選手になること』




甲子園で優勝すれば、注目される。




良かった、良かった・・・。



机に置いてある写真に写る一飛を見て、静かに涙をこぼした。