ヘタレ彼氏はイイ男

朝起きても、一飛に連絡する気にはなれなかった。



あんな一飛、知らない。



あたしが知ってる一飛は、あたしの好きな一飛は、あたしの意思を無視して無理やりキスをするような人じゃない。


クサいセリフをただただ吐いてる人じゃない。


思うことを一生懸命に伝えてくれる人。


どんな時もあたしのことを一番に考えてくれる人。


焼きもちを妬くぐらいに野球バカな人。



そして昨日の彼には、あたしを虜にして止まないあの笑顔すら、もうなかった。



「・・・・・どうして?」




あたしは、ベッドの上で知らず知らずに涙を流していた。



目が腫れたまま学校へ行くと友達が驚いていた。



「真心・・・・・どうしたのよ。その目」


「何でもない」


「何でもないじゃないでしょ?」


「大丈夫、本当に何でもないんだってば」



でも、友達の目は誤魔化せなかった。



「一飛くんでしょ?」


「・・・・・・・・・・」


「ほらね。真心の考えてることはすぐわかる。話してよ」


「うん・・・・・」