ヘタレ彼氏はイイ男

不安はなかった。



お互い共学で距離も離れていたけど、心はいつもそばにあると信じていたから。



寂しい


会いたい



そうは思うけど、あたしは一飛の夢のために言わなかった。



きっと、一飛も思ってくれてると思った。



だけど、一飛も言わない。



きっと、あたしが我慢しているのを分かってくれてると思ってた。




会おうと思えば会えるけど、野球の練習で疲れているから無理は言えなかった。



ただ、月に一度だけ記念日だけは会うことを約束していた。




「久しぶり。真心」


「一飛。今日はどこ行こっか?」


「そうだなぁ・・・真心は?行きたいとこないの?」


「う〜ん・・・じゃぁ買い物付き合ってくれる?」


「もちろん!」



月に一度の記念日とあとは偶然見かける時だけだから、一飛の外見の変化にいつもドキドキしてしまう。



身長はグングン伸びるし、体付きも筋肉がすごくついて引き締まって男の人なんだって、思わされる。



声も一段と低くなって、ただ変わらないのは、あの笑顔。



中学の時から変わらないあの笑顔は、何度見ても胸がキュンとなる。