高校は別々だった。



野球で有名な高校にスカウトされ、一飛はそこに入学。


あたしは地元にある普通の高校に進学した。




場所は違えど、同じ街のなかにあるから、会おうと思えば会える。



だから、少しくらいの淋しさならあたしは乗り越えられると思った。





「俺さ、真心に頼りっぱなしだったよな」


「そう?」


「うん。だから、今度からは俺が頼られるようになる」


「一飛が?」


「あぁ。真心が安心して頼れるような男に成長するから、見ててくれよ?」


「わかった。楽しみにしてる」



笑いながら、そんな話をして、あたし達は違う道を歩き始めた。





再び、一本の道に戻る日を楽しみにしながら・・・