ヘタレ彼氏はイイ男

一飛だけじゃなく、あたしも夏の吹奏楽のコンクールでは金賞をもらい、全国大会にまで行けた。


結果は、やっぱり全国は強豪揃いで、銀賞に終わった。



一飛も毎回調子が良いわけではなく、やっぱり悪い時もあるわけで。



でも、一飛にとってもあたしにとっても、この夏は本当に忘れられないものとなった。




そんなこんなで、部活であっという間に過ぎ去った3年生の終わり頃。


受験勉強真っ只中の時、家の近くの河川敷にある野球グラウンドに一飛から呼び出された。




「・・・なに?っていうかどうしたの?ユニフォームなんか着て」



グラウンドに行くと、ユニフォームを着てバットを持った一飛がいた。



「ちょっと、ボール投げてくんない?」


「え?・・・あたしが?」


「真心以外いないじゃん」


「・・・わかった」



一飛の意図がよく分からなかったけど、とりあえず言われたとおりにした。



「行くよ?」


「おう」



ポーン



そしてバットがボールに当たる瞬間







「好きだーーーーーー!!!」







ボールは見事に打たれ、遠くへ飛んでいった。




でもあたしはボールではなく、一飛から目が離せなかった。