今、思い返して後悔しているのは、 父のお見舞いに殆ど行かなかったことだ。 怖かった。 弱った父を見るのが。 中学生の私にとって、 父は一人の人間ではなく、 やはり 父 として存在していたんだと思う。 母はそれを責めた。 「あなたは心がないこども」 そう言われた。 「人間の感情があなたには無い」 とも言われた。 どんどん母を嫌いになった。 憎んだ。 お前が代わりに死ねばいい そう強く願うようになった。