☆★☆番外編☆★☆

オペ室のタコさん

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伊崎総合病院、ただいま心臓外科手術中。

執刀医、オレ。

第一助手、心臓外科ホープ。

第二助手、専修医2年目。

機械出し看護師、サエ。


「ガーゼ」

「はい」

「あ、糸はプローリン用意しといて」

「用意してます」


順調に進行中。

何も言わなくても、予想して次々と機械出しをしてくれるサエとは、抜群のチームワークなんじゃないかって。


「ん」

「はい」

「よ」

「はい」


このリズム、最高!

毎日こういうオペだといいんだけどなぁ~。

さーて、次は、


「ん。…って、違う。ペアンだよ、ペアン!」

「うるさい!じゃあ“ペアンください”って言えばいいでしょ!?」

「…はい、すみませんでした…」


院長(一応)に向かってキレる看護師なんて、お前くらいしかいないぞ…。


「ワイヤーカッター」

「ワイヤーカッターがどうしたって?」

「…を、くださいませんか?」

「よろしい」


なんでこんな上から目線なんだよ!?

年下のくせに!!

なのに、逆らえないのは何故なんだ…!!


「縫合終了。お疲れさまでした」


そう言ったときに見せる、


「伊崎センセ、おつかれさまでした!」


そういう顔がかわいすぎて、もう逆らえないんだよな…。


「サエ、明日の2例目のオペ、機械出ししてくれない?」

「指名料とるよ?」

「…まじっすか。いくら?」

「今夜つきあって!」

「それはお安いご用で」


=end=