それからというもの、

あたしは、「彼女の姉」として

卓也の話を聞いたりするように…。


怜の前でだけ、弱音を吐いた。

誰にも悟られないようにして、

1人で泣いた。毎日泣いた。


でも、あたしは前に進むしかなかった。

それしかやっちゃいけなかったから。


卓也も卒業して、

あたしも義務教育最後の年に。

「早かった」

その一言やった。


あっという間に修学旅行。

前日の日に、

卓也と話していた。

妹のことで。

悩みがあるとかないとか…

何なんやろう?

「なんかあった?」

「んー…」

「はっきり言えよ」

眠たかったあたしは、

ちょっといら立っていた。

「男じゃねぇぞー」

「でも・・・」

とうとう切れた。

「あー!もう早く言ってよ!」

「え、今言うの??」

「当然ー」

この時聞かなきゃよかった。

「俺、お前のことが好きなんだ」

ずっと聞きたかった言葉。

でも、卓也の彼女は妹やから。

決してしてはいけない恋愛。

「あたしもっ…」

でも思わず、想いが溢れてしまった。

ずっと、ずっと聞きたかった。

それからは、

妹よりも連絡を取るようになっていった。