正和の運転するSUV車が、ガソリンスタンドに入り停車した。

「いらっしゃいませ! 」
日焼けした若い女子店員が、威勢よく出迎える。

正和が車から降りると、ムッとした熱気がある。
正和が店員にガソリンの給油を告げて、助手席のドアを開けた。

「飲み物は何がいい? 」
正和が、助手席にいる栞に聞く。

「何でもいいよ・・・・・・」
栞が、ブスッとして答えた。
 
栞は、車から降りてトイレに行く。

正和は自販機の前まで来ると、携帯電話が鳴った。
着信音は、サザンの『真夏の果実』だった。

電話の相手は小田だった。